Unity + Oculus Integrationで物をつかむ（その２：コントローラを表示）

Unity + Oculus Integrationを使ってコントローラやハンドトラッキングでオブジェクトをつかむまでの手順をStep by stepで説明します。
やっていることはOculus Integrationのサンプルシーン「HandGrabExamples」と同様ですが、これを0から組み立ててみてSceneを構成するコンポーネントの役割への理解を深めようという趣旨の記事です。

以下のステップで実装を進めていきます。

ルームスケールで動き回れるSceneを作成する手順
コントローラを表示できるようにする手順（本記事）
手を表示できるようにする手順
オブジェクトをつかめるようにする手順
オブジェクトをつかむときのポーズ（つかむ場所・手の形）を設定する手順

2022/11/7: githubにプロジェクトを共有しました。
github.com

環境構築・プロジェクト作成
利用するコンポーネント
- InteractionRigOVR
- Controllers
Sceneの実装手順
参考サイト

環境構築・プロジェクト作成

環境構築とプロジェクト作成の手順については、こちらの記事を参照してください。

rhikos-prgm.hatenablog.com

利用するコンポーネント

今回の記事で新たに使用するコンポーネントは以下の通りです。

InteractionRigOVR

以下のような階層をもったprefab（カッコ内はアタッチされているScript）

InteractionRigOVR
 +- OVRCameraRig
 +- InputOVR（OVRCameraRigRef, TrackingToWorldTransformerOVR）
       +- Hmd（Hmd）

OVRCameraRigは前回も使用しました。
InputOVRはHand（今回未使用。ハンドトラッキングを扱うためのprefab）やController（後述）、Hmdなどのprefabをアタッチするためのベースとなるprefabです。

詳細は下記の「InputOVR」を参照。
Inputs | Oculus Developers

それぞれのprefabにアタッチされているScriptの詳細についてはAPIリファレンスを参照...と、言いたいところですが、載ってません。
クラス名から役割を推測したり実際にソースを読んでみるしかなさそうです。

Controllers

コントローラの位置にコントローラを表示するためのprefabです。
階層は以下の通り。

Controllers
 +- LeftController（Controller, ControllerActiveState）
 |     +- ControllerDataSource（FromOVRControllerDataSource）
 |     +- ControllerInteractors（InteractorGroup）
 +- RightController
       +- ControllerDataSource（FromOVRControllerDataSource）
       +- ControllerInteractors（InteractorGroup）

ちなみに、 * コントローラの位置に手を表示する場合 ... ControllerHandsを追加 * ハンドトラッキングした位置に手を表示する場合 ... Handsを追加のように、用途によって使い分けます。

Sceneの実装手順

Sceneの作成

空のシーンを作成します。(Assets/Sandbox/HandGrab/Scenes/Scene1)
MainCameraを削除します。
Scene配下に「Oculus/Interaction/Runtime/Prefab/InteractionRigOVR」のprefabを配置します。

Controllersの配置

InteractionRigOVR/InputOVR配下に「Oculus/Interaction/Runtime/Prefab/Controllers」のprefabを配置します。
Controllers/LeftController/ControllerDataSourceのコンポーネント「From OVR Controller Hand Data Source」の属性を以下のように設定します。